宮地開税理士事務所Kai Miyaji Tax Office
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2026.07.29 資金調達

【決算書と融資】銀行はどこを見る?融資が通る会社の数字の作り方を解説

【決算書と融資】銀行はどこを見る?融資が通る会社の数字の作り方を解説

銀行は、決算書を見て会社を格付けし、融資の可否や金利を決めていますしています。同じ会社でも、決算書の中身次第で結果が変わります。

この記事では、銀行がどこを見ているのか、そして評価を上げるために(粉飾ではなく)できることを整理します。

1銀行が見る主要指標

自己資本比率純資産の厚み。高いほど安定と見られる(30%以上あると良い)
債務償還年数借入を利益で何年で返せるか(短いほど良い。目安10年以内)
営業キャッシュフロー本業できちんと現金を生めているか(返済可能か)

2チェックされやすい勘定科目

融資審査では、決算書のなかでも資産の「中身」が特に見られます。とくにチェックされやすいのが、貸付金(とくに役員貸付金)・現金・棚卸資産・売掛金/買掛金・未収入金・立替金といった科目です。一方で、当面返済の予定がない役員借入金は、実質的に自己資本に近いものとして評価されることもあります。それぞれの具体的な見られ方と対策は、次の「3」で解説します。

3評価を下げてしまう決算書の特徴

役員貸付金が多い、債務超過、科目が不明瞭――こうした点は放置せず期中から解消しておきましょう。

なお、評価が下がるどころか、その一点で断られてしまう項目もあります。申込み前に外しておきたい点は融資審査で即お断りになる会社の共通点にまとめました。

項目銀行の見方と対策(融資申込み前に)
(役員)貸付金借入れ前に回収を促され、金額が多額だと融資不可の可能性が高まる。
役員貸付金は、資金の私的流用を意味するので基本的にNG
現金金額が大きいと実在性を疑われる。
50万円を超えると自己資金として見てもらえないケースが多い。
現金商売でも、現金を定期的に口座へ入れて実在性をアピールしましょう(特に日本政策金融公庫は厳しい)
棚卸資産過大だと、実在性や利益の水増しを疑われる。
不良在庫がないか、申請前にチェックしましょう。
未収入金・立替金回収できるか不確実な資産とみなされ、実態評価では資産から差し引かれることがある。
なるべく回収してから申し込むようにしましょう。
債務超過債務超過の状態はなるべく解消する。
創業1期目の債務超過は大目に見られるケースもあるが、2期連続の赤字だとかなり厳しい評価になる。
ここに注意(役員貸付金)役員貸付金は「社長が会社のお金を私的に使っている」と見られやすい科目です。早めに整理・返済しておきましょう。金融機関だけでなく、税務署の観点からも役員貸付金は良い印象を与えません。

また、そもそも申告をしていない期間があると、新規の融資はまず通りません。立て直しの手順はこちらで解説しています。
あわせて読みたい:【無申告法人の税務調査】税務署はもう把握している?申告していない会社に起きること

4評価を上げるためにできること(粉飾ではなく)

適正な資産評価、役員貸付金の整理、在庫の見直し、利益の出る事業構造づくり。これらは決算前の対策がカギになります。粉飾ではなく、正しく良く見せる工夫です。

評価を上げる基本は、預金残高を増やすことです。手元の現金や未回収の債権は実在性を疑われやすいため、現金はできるだけ預金口座に移し、売掛金などの債権は早期に回収しておきましょう。仮払金・貸付金・立替金など内容が不明瞭な科目についても、申請前にその処理(精算・振替)を検討しておくことが大切です。

ここに注意(決算書は1種類に)税務署に提出する決算書と、金融機関に提出する決算書を2種類作成することはNGです。最初から金融機関の評価を意識した決算書を1つ作成するようにしましょう。

5まとめ:決算書は銀行に見せる資料

決算書は税務署だけでなく、銀行に見せる資料でもあります。当事務所では、金融機関の評価を意識した決算書の作成をサポートしています。融資を見据えた決算をご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。

決算書は、締めてしまうと1年間直せません。次の決算をどう作るかから逆算したい方は、銀行融資・資金調達のご相談をご覧ください。

銀行に「通る」決算書へ改善するポイントを1枚にまとめた図解
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本記事は、公開時点の法令および日本政策金融公庫・信用保証協会・各自治体等が公表する資料にもとづく一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の資金調達に関する助言や、融資・保証・補助金の採択を保証するものではありません。実際の審査結果や適用条件は、事業内容・財務状況・申込時期によって異なります。

融資制度の内容や金利、補助金・助成金の公募要領は頻繁に変更・終了されます。ご判断にあたっては必ず各実施機関の最新の公表情報をご確認いただき、顧問税理士等の専門家にご相談ください。本記事の内容にもとづいて行われた判断・行為により生じたいかなる損害についても、当事務所は責任を負いかねます。

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代表税理士 宮地 開

この記事を書いた人|代表税理士 宮地 開

東京税理士会 目黒支部 税理士登録番号 第137083号

KPMG税理士法人で上場企業・外資系法人の税務申告と税務アドバイザリーを担当し、大手通信会社の経理部への出向を経て、2022年に宮地開税理士事務所を開業。マネーフォワードクラウド会計とAIを活用し、スタートアップ・中小企業の税務顧問と資金調達支援を行っています。

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