「いくらまで借りられますか」「今の決算書で融資は通りますか」——資金調達のご相談は、たいていこの2つから始まります。
正直に申し上げると、初回のご相談でこの質問に正確な数字をお答えすることはできません。融資の可否と金額は、決算書だけでなく、自己資金の貯め方、資金の使いみち、返済の元手、金融機関との取引年数、そして社長ご自身の説明のしかたまで含めて判断されるためです。ただ、準備の順番を間違えなければ、同じ会社でも結果は変わります。
当事務所では、決算書を作る側の視点と、金融機関が決算書を読む側の視点の両方から、資金調達をお手伝いしています。認定経営革新等支援機関として、資金使途の整理から事業計画書の作成、金融機関との面談の同席までを一貫して対応します。
1こんなときにご相談ください
資金調達のご相談で多いのは、次の5つの場面です。ご自身の状況に近いところからお読みください。
| ご状況 | よくあるご相談 | 参考になる記事 |
|---|---|---|
| これから創業する | 自己資金はいくら必要か。いくらまで借りられるか | 創業期の資金調達7つの方法 |
| 創業して1〜2年 | 公庫の創業融資を申し込みたいが、事業計画書が書けない | 公庫の創業融資に通る事業計画書 |
| 2期目以降の追加調達 | 今の借入に上乗せできるか。どの金融機関に行くべきか | 借入はいくらまでが適正か |
| 返済負担を見直したい | 借り換えのタイミングと、交渉の進め方が分からない | 融資の借り換えと追加融資 |
| 資金繰りが苦しい | 返済が重い。当面の運転資金をつなぎたい | 公庫のセーフティネット貸付 |
「どれにも当てはまらない」という段階でも構いません。むしろ、お金が必要になる3〜6か月前にご相談いただくほうが、打てる手は多く残っています。融資は決算を締めてから動くより、決算の前から逆算して動くほうが有利です。
2支援の範囲と進め方
当事務所は認定経営革新等支援機関(中小企業支援に関する専門的知識や実務経験について国の認定を受けた支援機関。認定番号:107913004801)です。また、ご希望があれば金融機関との面談に同席します。「書類は作りますが、面談は社長おひとりで」という形にはしていません。
ご相談から実行までの流れは次のとおりです。当事務所がすることと、社長にお願いすることを分けて記載しています。
| ステップ | 当事務所がすること | 社長にお願いすること |
|---|---|---|
| 1. 初回のご相談 | 資金の使いみち・希望額・時期をうかがい、現在の借入と返済の状況を整理します | 直近2期分の決算書(設立1期目の場合は1期目の試算表)と、借入の一覧(返済予定表)のご用意 |
| 2. 調達方針の設計 | どの金融機関に、いくら、どの順番で申し込むかを設計します。制度融資や信用保証協会の使い分けもここで整理します。ご希望に応じて、当事務所で取引のある金融機関の担当者をご紹介します | 設備投資・採用・新規事業など、今後の計画の共有 |
| 3. 必要書類の作成 | 事業計画書(創業期は創業計画書)・損益計画表・資金繰り表・試算表等を作成し、数字の裏付けを整えます | 事業の中身のヒアリングにお時間をいただきます(1〜2時間程度) |
| 4. 申込と面談の準備 | 想定される質問と回答を整理し、面談で聞かれる点を事前にお伝えします | 面談日程の調整 |
| 5. 面談の同席 | ご希望に応じて同席し、数字まわりの説明を補足します | 事業の中身は、できるかぎり社長ご自身の言葉で |
| 6. 実行後のフォロー | 返済計画を資金繰りに反映し、次の調達に向けた決算書の作り方をご提案します | — |
3対応できる資金調達の種類
当事務所が日常的にお取引のある金融機関は、日本政策金融公庫・信用金庫・地方銀行の3種類です。いずれも担当者とのつながりがあり、事業の内容と資金の使いみちに合いそうな先をお引き合わせすることもできます。たとえば千葉銀行、城南信用金庫、さわやか信用金庫などで、ここに挙げていない金融機関にもご紹介できる先があります。なお、ベンチャーキャピタル等からの出資(エクイティ)の仲介は行っておりません。
| 区分 | 主な使いどころ | 関連する解説記事 |
|---|---|---|
| 日本政策金融公庫 新規開業・スタートアップ支援資金 | 創業前から事業開始後おおむね7年以内。融資限度額は7,200万円 | 公庫の創業融資に通る事業計画書 |
| 日本政策金融公庫 経営環境変化対応資金 | 売上の減少などで、一時的に資金繰りが悪化したとき(セーフティネット貸付) | 公庫のセーフティネット貸付 |
| 日本政策金融公庫 資本性劣後ローン | 金融機関の審査上、自己資本とみなされる借入で財務内容を厚くしたいとき | 資本性劣後ローンで格付を上げる |
| 信用金庫・地方銀行 (信用保証協会付き) | 初めて民間金融機関と取引するとき。創業期から成長期の運転資金 | 信用金庫の融資審査の実際 |
| 信用金庫・地方銀行 (プロパー融資) | 取引実績を積んだうえで、保証料のかからない融資に移行したいとき | プロパー融資と保証協会付きの違い |
| 東京都・区の制度融資 | 利子や信用保証料の補助を受けたいとき | 東京都と区の創業支援と制度融資 |
どの制度を使うかより先に決めるべきなのは、最初にどの金融機関と付き合うかです。公庫と信用金庫は役割が違い、順番を間違えると次の一手が打ちにくくなります。この点は最初の1行をどう選ぶかと公庫と信用金庫の使い分けで詳しく書いています。
4金融機関がどこを見ているか
融資の審査というと、決算書の点数だけで決まるように思われがちですが、実際に見られているのは次の4点です。
| 見られる点 | 具体的に見られていること | つまずきやすいところ |
|---|---|---|
| 返済の力 | 税引後利益と減価償却費の合計に対して、借入の残高がどれくらいあるか | 節税を優先して利益を圧縮しすぎている |
| 資金の使いみち | 申込書に書いた使いみちと、実際の入出金や計画が一致しているか | 運転資金として借りて設備に使ってしまう |
| 決算書の中身 | 役員貸付金・仮払金・棚卸資産が不自然に増えていないか | 社長個人の立替が貸付金のまま残っている |
| 経営者の説明 | 自社の数字を、社長ご自身が自分の言葉で説明できるか | すべて税理士任せで、面談で答えられない |
4つ目は軽く見られがちですが、実際に面談へ同席していると、金額や業績そのものよりも「この社長は自社の数字を把握しているか」が見られている場面が少なくありません。だからこそ当事務所では、面談の前に想定される質問をお渡しし、社長ご自身が答えられる状態にしてから臨みます。
自社の現在地を先に確かめておきたい方は、国が公表している経営分析ツール「ローカルベンチマーク」が便利です。6つの財務指標で、同じ業種の平均値と自社を比べられます。審査で何が問題になりそうかは、融資で一発アウトになることと決算書のどこを銀行は見ているかにまとめています。
5料金の考え方
資金調達支援は、税務顧問料に含まれないスポット業務としてお受けしています。着手金と、融資が実行されたときの成功報酬という組み合わせです。金額は料金ページに掲載しています。
着手金をいただくのは、申込みの前に、事業計画書と資金繰り表を実際に作り込むためです。これらは融資が通らなかった場合でも、次の申込みや日々の経営にそのまま使っていただける資料として手元に残ります。逆に、資料を作らずに申込みだけを代行するということはしておりません。
6支援の実績
守秘義務のため会社名は伏せますが、実際にお手伝いした案件の例です。
| 業種・時期 | 調達の内容 | 当事務所の関与 |
|---|---|---|
| 東京都・映像制作業/創業1期目 | 日本政策金融公庫の創業融資。800万円台。相談から実行まで約2か月 | 創業計画書・損益計画表・資金繰り表等の作成、金融機関の担当者の紹介 |
| 東京都・製造業/創業2期目 | 信用金庫の信用保証協会付き制度融資。500万円台。相談から実行まで約3か月 | 事業計画書・損益計画表・資金繰り表・試算表等の作成、金融機関の担当者の紹介、面談の同席 |
| 東京都・広告業/創業7期目 | 信用金庫の信用保証協会付き制度融資。1,000万円台。相談から実行まで約8か月 | 事業計画書・損益計画表・資金繰り表・試算表等の作成、金融機関の担当者の紹介、面談の同席 |
3件目のように、決算の時期や制度融資の窓口の都合で半年以上かかる案件もあります。期間の見通しも含めて、最初にお伝えします。
7よくあるご質問
| 自己資金はどのくらい必要ですか | 制度上、自己資金がいくら必要かという一律の基準はありません。ただし実務では、創業融資の場合に希望額の2〜3割程度の自己資金がないと、希望額に届かないケースが多い印象です。自己資金が少ない場合でも、資金使途と返済の見通しが整理できていれば検討の余地はあります。 |
|---|---|
| 創業前でも相談できますか | はい。むしろ創業前のほうが選択肢は多く残っています。会社の設立時期、資本金の決め方、役員報酬の設定は、その後の融資審査にも影響します。設立前、遅くとも設立後半年以内にご相談いただくのが理想です。 |
| 他の税理士と顧問契約中ですが依頼できますか | お受けしています。資金調達支援のみのスポットでのご依頼も可能です。顧問税理士の変更を前提とするものではありません。 |
| 金融機関を紹介してもらえますか | 日本政策金融公庫・信用金庫・地方銀行に担当者とのつながりがあり、事業の内容と資金の使いみちに合いそうな先をご紹介しています。千葉銀行、城南信用金庫、さわやか信用金庫などが一例で、ほかにもご紹介できる金融機関があります。ただし、ご紹介は融資の実行を約束するものではありません。審査はあくまで金融機関の判断によります。 |
| 相談から実行までどのくらいかかりますか | 案件によりますが、資料が揃っている場合でおおむね2〜3か月が目安です。制度融資のように区・金融機関・信用保証協会と窓口が分かれる場合や、決算を待って申し込む場合は、半年以上かかることもあります。資金が必要な時期から逆算して、3〜6か月前にご相談いただくと余裕をもって進められます。 |
| 対応エリアはどこまでですか | 面談への同席をご希望の場合は、東京・神奈川・千葉・埼玉を対応エリアとしています。同席が不要であれば、オンラインで全国対応が可能です。 |
8まずは無料相談から
資金調達は、金額の大小よりも動き出す時期で結果が変わります。「まだ具体的に決まっていない」という段階のご相談で構いません。今の決算書のままで何が課題になりそうか、どの金融機関から当たるのが自然かをお伝えします。
初回のご相談は無料です。直近2期分の決算書と、借入の返済予定表をお手元にご用意いただけると、より具体的なお話ができます。
※ 免責事項・お問い合わせについて
本ページは、公開時点の法令および日本政策金融公庫・信用保証協会・各自治体等が公表する資料にもとづく一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の資金調達に関する助言や、融資・保証・補助金の採択を保証するものではありません。実際の審査結果や適用条件は、事業内容・財務状況・申込時期によって異なります。
融資制度の内容や金利、補助金・助成金の公募要領は頻繁に変更・終了されます。ご判断にあたっては必ず各実施機関の最新の公表情報をご確認いただき、顧問税理士等の専門家にご相談ください。本ページの内容にもとづいて行われた判断・行為により生じたいかなる損害についても、当事務所は責任を負いかねます。
なお、本ページの内容に関するご質問・お問い合わせへの個別回答は承っておりません。個別のご相談をご希望の場合は、正式なご依頼としてお申し込みください。
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